糖尿病を誘発する5つの原因と診断基準

糖尿病原因

2016年の現在、日本には糖尿病患者の人口がおよそ770万人もいると言われ、世界的に見てもトップ10入りする人数の多さです。

さらに言えば、糖尿病の疑いがある人が1600万人にものぼり、糖尿病患者と糖尿病予備軍の人口を合わせると実に2370万人にも及びます。

この人数は、日本の総人口は1億2千万人ほどですが、成人している20歳以上の人口は1億500万人ほどである事を考えると、成人している日本人の約4~5人に1人が糖尿病、もしくは糖尿病予備軍だという事になります。

更に会社での健康診断を定期的に受けていない人も潜在的に大多数いる事を考えると、20歳以上の日本人のおよそ3~4人に1人以上は糖尿病予備軍であると言っても過言ではないかもしれません。

血液中に含まれるブドウ糖の値(これが血糖値にあたります)が正常の人よりは高いものの、正式に糖尿病と診断される値よりは多少低い状態の人を糖尿病予備軍と呼んでいて、正式には「境界型」と呼ばれる糖尿病の疑いのある人の事を指しています。

既に症状がかなり進行している「糖尿病型」の糖尿病と、「境界型」の糖尿病予備軍、いずれの場合も糖尿病になる原因は共通していますので、糖尿病を引き起こす原因について詳しく紹介していきましょう。

 

糖尿病予備軍でもすぐに糖尿病になります。

「糖尿病予備軍です」「血糖値が高いです」などと医療機関で診断されたものの、まだ正式な糖尿病ではないし、再度医療機関に出向いて受診をするのが面倒だからと言って血糖値が高い状態を放置しておくと、いつ糖尿病予備軍からステップアップして糖尿病になってしまっても全く不思議ではありません。

仮に糖尿病予備軍のままで糖尿病にはならなかったとしても、血糖値が高い状態というのは体の様々な箇所に悪影響を及ぼしてる事は間違いありませんから、脳卒中や狭心症などの怖い糖尿病の合併症を引き起こす可能性も秘めています。

ですから、糖尿病予備軍だと判明した段階から食事メニューの改善や運動をしっかりと行っていけば、血糖値を下げて健康体を手に入れる事が可能になりますので、いち早く血糖値を下げるための治療に取り掛かる事が肝心です。

糖尿病予備軍の状態では自覚症状が全く出ないので自分で糖尿病の危険に気づく事ができません。

ですから、会社や地域等での健康診断は必ず定期的に受診し、血液検査をしなければいけないのです。

 

糖尿病を誘発する5つの原因

日本人の糖尿病患者の9割以上を占める2型糖尿病は、もともと糖尿病になりやすい体質の人に生活習慣などの悪しき要因が加わって誘発されます。

糖尿病になりやすい人というのは遺伝が影響していて、家族や親戚に糖尿病の人がいる場合は、そうでない人よりも糖尿病にかかりリスクがぐんと高まります。

また、もともと日本人は世界的に見ても体質的に糖尿病になりやすい民族なので、生活習慣病などには特に気をつける必要があるのです。欧米人などには太った人がたくさんいるのは周知の事実ですが、意外と糖尿病患者の割合は少ないのです。

この事実は、糖尿病になりやすい民族とそうでない民族がある事を象徴しています。

それでは、日本人の2型糖尿病を誘発する5つの原因を紹介します。

肥満

糖尿病の原因として最も多いのが肥満です。

肥満によって内臓脂肪が増えると、この悪者である脂肪細胞の作用でインスリンの効きが悪くなってしまいます。インスリンの効きが悪くなったために、血液中のブドウ糖を必死に減らそうとして膵臓は多くのインスリンを分泌しなければならなくなってしまうのですが、いずれ膵臓が疲弊してしまって、インスリンを分泌できなくなってしまうのです。

インスリンを分泌できなくなると血糖値が下がらなくなり、糖尿病を招きます。

過食

過食の状態にり血液中のブドウ糖が急激に増えると、膵臓はインスリンを分泌しようと必死になるのですが、慢性的な過食状態が続いてしまうとやがて膵臓も疲弊しまってインスリンを分泌できなくなり、結果的に血液中の糖度が高い状態が出来上がってしまうのです。

重度のストレス

現在社会はストレス社会とも言われていますが、精神的または肉体的に過度なストレスを受けると、インスリンの作用とは相反するアドレナリンなどの拮抗(きっこう)ホルモンが分泌されて、この拮抗ホルモンの影響でインスリンの作用が弱まってしまいます。

インスリンの作用が弱まると血糖値が上昇し、その状態が長く続くと糖尿病になってしまうのです。

加齢

人は年を重ねるごとに体全体の機能が低下していきますから、体内での糖質の代謝も悪くなりますし、細胞が老化して膵臓の働きも鈍ってきます。

若い頃と同じような食事をしていたとしても、昔のように体内でうまく糖分を処理しきれないのです。

そうなると血糖値が高い状態になりやすくなってしまうので、糖尿病の症状を誘発してしまいます。

妊娠

妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンがインスリンの働きを弱めてしまうので、糖尿病が起こりやすくなります。

妊娠が原因での糖尿病を妊娠糖尿病とも呼ぶのですが、妊婦の2~3%に見られ、その女性のほとんどが妊娠20週目以降に妊娠糖尿病になります。

出産すると血糖値が下がって元の状態に戻る事も多いようですが、出産後も血糖値が下がらずに糖尿病のままの女性も少なからず存在します。

 

血液検査などをしっかりと行わない限りは糖尿病を自分自身で確実にチェックする事はできませんが、これらの5つの原因に多く当てはまるほど、糖尿病のリスクに犯されている事は確かでしょう。

これら5つの原因に思い当たる節が多ければ、血糖値が高い状態になっている糖尿病予備群かもしれませんし、自覚症状がまだないだけでもしかしたら既に糖尿病にかかっているかもしれません。

糖尿病の疑いのある方は、今すぐに医療機関で血液検査を受けるようにして下さい。

 

糖尿病の判定基準と検査の流れ

病院で診断を受けて「糖尿病」だと断定されるまでの検査としては、いくつかの種類の検査が行われます。

まずは患者の事を把握するための医師の問診に始まり、尿糖検査、血糖検査、ヘモグロビンA1c検査、経口ブドウ糖負荷試験などを行い、これら複数の検査結果を複合して、糖尿病であるかそうでないかを医師が最終判断するという流れです。

下記の表で紹介している数値が正式に「糖尿病型」だと判定される基準値です。

これらの、糖尿病を判定するためのそれぞれの検査について詳しく説明しましょう。

尿糖検査

尿糖検査は文字の意味そのままに尿の中に含まれている糖の割合を調べる検査で、容器に入れた尿の中に試験紙をひたし、試験紙の色の変化で糖の濃度を測ります。

通常は空腹時の血糖値が160mg/dl以上になると糖が尿の中にまであふれてくるようになるので試験紙の色に反応があります。

しかしながらこれには個人差があり、血糖値が160mg/dl以上であっても尿の中に糖が混じってこない人もいますし、逆に血糖値が160mg/dl以下であるにも関わらず尿の中に糖が溢れ出ているという人も存在するのです。

ですから、糖尿病かどうかは尿糖検査だけで断定する事ができないので、他の検査と総合的に行ったうえで判断する事になります。

早朝空腹時血糖値検査

一般的に糖尿病の診断にメインで使われる検査項目が2つあり、そのうちの1つがこの空腹時に血糖値を測定する検査です。

血液検査の前日の夜20時以降から絶食をし、翌朝空腹の状態で血糖値を測定します。

この早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上だと糖尿病型、110mg/dl~126mg/dlだと境界型(いわゆる糖尿病予備軍)、110mg/dl以下だと正常型だと判定されます。

ただしこの空腹時血糖値単体では糖尿病だと断定はされず、下記で紹介するヘモグロビンA1c検査と併せて判定されます。

ヘモグロビンA1c検査

血液を採取して、血液中にヘモグロビンA1cがどれくらい含まれているかを診断する検査で、空腹時血糖検査と同じく糖尿病の診断にメインで使われる検査項目のうちの1つです。

ヘモグロビンA1cの値が6.5%以上だと糖尿病型だと判定されます。

ヘモグロビンA1cとは、赤血球の中のヘモグロビンとブドウ糖がくっついた物質で、過去1~2か月ほどの血糖の平均値を判断する目安となります。

空腹時血糖値とヘモグロビンA1cの2つを検査し、2つともの値が糖尿病の判定基準を超えていた場合は、糖尿病だと判断される事になります。

これら2つの項目のうち、どちらか片方だけが糖尿病の判定基準を超えていた場合は、後日再検査を行って糖尿病かどうかを判断する事になりますが、その際にはこれらの2つの検査以外にも、人によっては随時血糖値検査や経口ブドウ糖負荷試験なども行われる事があります。

随時血糖値検査

随時血糖値検査は朝ではなく食後の血糖値を測定する検査で、食後の血糖値が200mg/dl以上だと糖尿病型だと判定されます。

経口ブドウ糖負荷試験

前日の20時から絶食した状態で迎えた空腹時の朝に、ブドウ糖75グラムを水に溶かして飲み、2時間後の血糖値の値を調べる検査です。

この検査での2時間後の血糖値が200mg/dl以上だと糖尿病型と判定されます。

 

主にこれら5種類の検査を通じて、糖尿病かそうでないかを判定します。

一般的には空腹時血糖値検査ヘモグロビンA1c検査の2つの検査を基軸とし、2つの検査の両方ともで糖尿病の判定基準値に達していた場合は糖尿病だと判定されますし、片方だけが基準値に達していた場合は、後日2つの検査を再検査したり、随時血糖値検査や経口ブドウ糖負荷試験を交えたりしながら、糖尿病かどうかの判定をするという流れが一般的です。

 

「境界型」の糖尿病予備軍患者も治療を!

空腹時血糖値検査ヘモグロビンA1c検査で糖尿病の基準値を超える数値が出たものの、一回の検査でははっきりと糖尿病だと断定されなかった人も大勢いると思います。

そこで、「一度の検査で糖尿病だと断定できないレベルなんだから、まだ自分の場合は深刻なレベルではないだろうし、特に体の方は何も症状もないから急いで治療もしなくて大丈夫そうだ」と一人勝手な判断をしてしまう人もいるのです。

しかし、これは大きな間違いです。

そもそも糖尿病の検査は複数の検査を複合して行うものですし、検査結果の数値が際どい値を示す事もありますから、一度の検査で糖尿病だと100%断定できない事も往々にしてあるのです。

しかし、糖尿病が疑われるような高血糖の場合、すぐにでも糖尿病になってしまう可能性を秘めていますし、症状が進行しても初期段階ではなかなか自分では糖尿病に気が付かないものです。

ですから完全な糖尿病になってしまう前から定期的に医療機関で診断を受けて、日々の食事改善や運動を行っていけば糖尿病になるリスクを減らす事ができますし、元の健康な状態に戻す事だって十分可能なのです。

「血糖値が高めです」という診断結果を貰ったのであれば、早い段階から血糖値を下げるための治療を始めなければならないのです。

 

まとめ

糖尿病を誘発する原因は生活習慣病と大きく関係しています。

生活習慣病は偏食や運動不足による肥満やストレスなど、普段自分が無意識に行っている生活習慣が深く関わっていますし、糖尿病の初期段階では身体的な症状がほとんど出てきませんから、本当に注意をしておかないと知らない間に糖尿病にかかってしまうのです。

糖尿病は血糖値こそが進行度合いを判断する数値ですから、1年に1回くらいは会社や地域の健康診断を受けて血糖値を測定するべきですし、もしも血糖値が基準値をオーバーしている事が判明したならば、それは体のどこかがおかしいという危険信号ですから、すぐに医療機関を訪れて医師の診察を受けるべきでしょう。

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